塗り替えを成功させる秘訣
塗り替えを成功させる秘訣
費用の考え方
一番気になるのは価格ではないでしょうか。同じ建物を共通の施工方法、共通の塗料でいくつかの業者に見積ってもらっても、それぞれの見積もりが出るでしょう。
塗り替え工事はカタログ商品ではありません。また、すぐに納品できるものでもありません。どんどん世の中便利になっていますが、塗装というのは職人のいろんな手作業による行程の積み重ねです。機械化はできません。行程ごとの手間のかけかたにより価格は変化しますので、クルマや電化製品のように定価を設定することは不可能です。
「一番安い業者がお得」だとか、「一番高い業者ならしっかりやってくれるだろう」などの考えは方は危険です。なぜなら、安い業者は分からないように手抜き工事で済ませるから安いのかもしれませんし、高い業者はタダのぼったくり業者かもしれません。
賢い業者選び
業者にはどんな形態があるのか、大きく4つに分けてみました。
1)ブローカー
店などを構えず、飛び込み営業で請け負いだけして、後は下請けに丸投げする個人のピンハネ営業。
以前、当店にも下請けの依頼が来た事があります。話を聞くと請負金額の半額で工事をしてくれとのこと、せっかくの依頼でしたがお断りしました(^_^;) これでは職人のこだわりをもって丁寧に作業をすることができないからです。
やり逃げのような形になりますのでアフターメンテナンス等は期待できません、その場限りで終わりです。
2)街のペンキ屋さん
タウンページを見るとあなたの街にも結構あるはずです。自社職人による直接施工になりますので、中間マージンが発生せず、見積もり金額を有効に使って工事をしてもらえます。工事代金も良心的だと思います。
しかし、各社技術レベルや価格はまちまちです。長年にわたり地元で根を張っている個人・法人がよいでしょう。
地元の現場が多いと思いますので、過去の施工実績や工事中の現場を見せてもらうなどして、参考にするといいと思います。
3)訪問販売の塗装業者
ここ最近急に増えてきました、タレントを使ったパンフレットやTV・ラジオCM、高額歩合の営業マンを使った訪問販売会社です。
当然タレントギャラ、宣伝費、歩合等が見積もりに反映され、高額になります。仮に見積りが妥当であった場合、実際の工事費が低く押さえられ、分からないところで手抜きをされる恐れがあります。また、担当の営業マンは現場経験が無く、にわか仕込みのマニュアル知識しか無い人もいます。そもそもそういう方が見積もりを出せることが不思議です。質問しても内容によっては職人に聞いてからになったり、即答してもらえないことが多々あるでしょう。
4)リフォーム会社、工務店等
地元で実績のあるところであれば、担当営業マンがしっかり監理してくれるでしょうし、いい仕事が期待できると思います。しかし、自社でペンキ職人を雇っているところはありません。やはり下請け業者に外注するしかないため、実際の工事費以外に元請の経費がかかり割高になることもあります(良心的な業者でしたら3%~5%といわれています)。塗り替え以外に他も直したり、総合的にリフォームする時にはおすすめです。
以上4つの代表的な形態を紹介しましたが、結局どこに頼んでも施工に来るのは2番の「街のペンキ屋さん」ということになります。
地元のペンキ屋さんに直接頼む以外は下請け業者が施工するわけですが、悲しいことに、下請けの塗装業者というのは、仕事を元請け会社から継続してもらえる代わりに工事代金などを安くたたかれます。利益を出すためには1棟でも多く、次から次へと数をこなさなくてはなりません。
また、請け負った金額分でできる範囲でしか仕事をしませんし、数をこなすためには、どうしても大雑把な粗い仕事になりがちです。
下請けか自社職人かを見分けるには、現場に来たトラックに頼んだ会社とは違う名前が入っていたり、テープで社名を隠してあったり、叉は何も書いてありません。そういうクルマが出入りしているようでしたら、下請け業者だと思っていいでしょう(工事が始まってから分かってもしょうがないでねすね… w(゜o゜)w )
「タレントを使っている有名な会社だからお願いしたけれど、現場に来たトラックにはXXX塗装と書いてあった」「立派な店鋪を構えているから気軽にお願いしたけど、来た職人はヤンキー風。なんだか恐くて話しかけにくかった」後になってそんな思いをしないように、会社のブランドではなく、実際に工事をしてくれる人がどのような人なのか、訪ねてみることも大切です。
直接工事か下請け工事か、あなたならどちらを選びますか?
これまでの内容で下請け業者の工事がすべて悪いというように伝わってしまったならば、それは誤解です。お許しください。すばらしい工事をしている下請け業者さんもたくさん存在します。ただ、直接工事する方法に比べると、どうしても下請け工事のクレーム発生が多くなるのは事実です。
手抜き工事の見分け方
1)養生をしない
養生とはサッシ部分など、塗装しない部分を汚さないようにビニールなどで覆うことをいいます。また養生がしてあっても雑で、ところどころ剥がれてヒラヒラしていたり、見切りがガタガタでは意味がありません。少しぐらい汚しても気にしない業者もいるようですが、養生は職人の思いやりだと思います。
2)下地調整を丁寧にしているか
塗装面をきれいにすることです。ホコリを払ったり、剥がれかかった古い塗膜の除去?、錆びた部分のペーパー掛けなどが曖昧だと、たとえ高級塗料を使おうとも性能が発揮できず、仕上がりもそれなりです。また、下塗りをしない悪質業者もいるようです。
基本的に外壁、屋根、鉄部、木部どこでも下塗りをするものです。下塗りは上塗りとの接着剤、弱くなった下地を整えるなど重要な行程です。いきなり仕上げの色で塗り出したら要注意!下塗り(中塗り)の色を上塗りの色と変えてもらうとよく分かっていいでしょう。
3)塗料の薄め具合、契約と違う塗料の使用
塗料にはそれぞれメーカーの定めた希釈率があります。薄め過ぎた場合、塗料の性能を発揮できず、耐用年数が短くなるなど後々問題が発生する可能性があります。また、契約塗料よりランクが下の塗料をこっそり使用する業者もいます。塗料については一般の方は分かりにくい部分だと思いますので注意したいところです。
4)ひび割れの補修
内部に雨水が入り込まないように、シーリング剤などを使ってひび割れを埋めなくてはいけません。放置しておくと外壁の剥げ落ちや漏水の原因になり、何のための塗装工事か分かりません。
塗装工事というのはその気になればいくらでも手抜きができ、しかも上塗りが終わった後では同業者でも見抜くことが難しくなります。手抜きを見分けるポイントをあげてみましたが、四六時中見張っているわけにもいかず、疑い出したらきりがありません。不明な点は納得いくまで説明を受け、信頼できる業者かどうか契約前に慎重に見極めたいものです。お客様が良い業者を見つけるためには、向こうからやってくる営業を待つのではなく、自分で業者や職人を見つけることが大切です。