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吉田塗装店物語

吉田塗装店物語

吉田三代 塗装物語~時代を越える熱き職人の心~

それは第二次世界大戦が終わり、日本で「戦後」と呼ばれる時代が始まった頃のこと。 1人の男が、ペンキと刷毛を手に塗装の仕事を始めました。「新しい時代を迎えるこの土地で、少しでも皆の役に立つ仕事をしよう!」そんな志を持つ彼の名は、吉田盛一。後に吉田塗装店の初代親方となる人です。わたしたち吉田塗装店の物語は、初代親方のたった1人の挑戦から始まったのです。

■吉田盛一 初代の挑戦

昭和20年代の日本。人々は敗戦の痛みを乗り越え、新しい時代を作ろうとしていました。
「平和な町で、家族皆で幸せに暮らせますように」
「戦後復興期」と言われるこの時代、多くの人がそう願い、地域の復興のために力を尽くしていたのです。

吉田盛一は大戦時に家族を連れて愛知県豊川市に疎開し、終戦後は土木の仕事で生計を立てていました。戦火に焼かれた町の復興のために、彼も懸命に働いていたのです。
そして毎日のように町の様子を見ていた盛一は、ある事に気づきました。
それは建物の壁の状態でした。復興が進み、真新しい壁の建物が増える一方で、古い家の痛みが目につくようになったのです。戦火に耐えた壁の様子は、痛々しくさえありました。
(地域のために、何か自分にできる事はないだろうか…)
復興を続ける町を見ながら、常に考えていた盛一は決意します。
「塗装の仕事を覚えて、町の建物を綺麗にしていこう」と。
当時の日本では塗装職人の数はまだ少なく、この地域には1人もいませんでした。
弟子入りできる師匠はおらず、独学用の教科書が手に入る時代でもありません。
しかし盛一に迷いはありませんでした。
「最低限のことは、ペンキを売る道具屋が教えてくれるだろう。 後は少しずつ覚えていけばいい。誰もいないからこそ、自分がやらなければ」
後の吉田塗装店初代親方、吉田盛一の職人人生はこうして始まります。
経験もなく師匠もいない環境から始まった、まさにゼロからの挑戦でした。 盛一は土木の仕事を続けながらペンキの扱い方を覚え、家々をまわって塗装の仕事を請けるようになります。

そして昭和28年、盛一に大きな転機が訪れました。
地元の鉄工所、愛豊鉄工(現在の株式会社AIHO)から、機械塗装の仕事を依頼されたのです。
「道具や場所は全て提供する」という申し出に、断る理由はありませんでした。何より、当時、地元で確かな塗装技術を持つ職人は、彼しかいなかったのです。
たった1人で壁塗りを続けてきた盛一の姿は、いつしか「地元一の塗装職人」として知られるようになっていたのでした。

こうして「愛豊鉄工 塗装部」と名づけられた工場が、愛知県豊川市に建てられ、盛一は初めて自分の作業場を持つことになります。それは独学で身につけ、1人で始めた自分の仕事が、多くの人に認められた証ともなったのでした。

■吉田清一 二代目の開拓

鉄工所の下請けの仕事を始めた吉田盛一は、大量生産される機械の塗装に追われるようになります。そんな盛一を助けたのが息子の吉田清一。後の吉田塗装店二代目親方です。

清一の職人人生は、父、盛一が塗装職人の道を選んだ時から始まります。

幼い頃から家の手伝いをしていた清一は、父のそばで自然に塗装の仕事を覚えていきました。やがて父が愛豊鉄工の仕事を引き受けるようになると、その助手として機械塗装の技術を身につけていきます。
丁寧な塗装技術が評価され、吉田親子の元には、精密機械や工具など、あらゆる機械塗装の依頼がくるようになります。しかし大量生産される機械の仕事は、常に時間に追われる厳しいものでした。納期と納品数を守るために、時には徹夜を続ける事もあるのです。
「この状態が続けば、自分よりも先に父が倒れてしまう」
仕事は途切れることなくありましたが、清一には危機感がありました。
「やはり、機械以外の塗装も続けたほうがいい」
清一は地域の家を一軒ずつ訪ね、外壁塗装の訪問営業を始めました。
機械塗装とは別に仕事を請け、独立の機会を待つことにしたのです。
旧家の多い地域では門前払いされる事もありましたが、「信頼を得るまでの辛抱」と自分に言い聞かせ、頭を下げ続けました。
やがて清一の真面目な人柄が認められ、外壁塗装の仕事は少しずつ増えていきました。

こうして昭和30年、盛一、清一親子は吉田塗装店を開業します。
初代親方は、父、盛一。清一は父を助け、さらに営業にも力を入れるようになりました。

塗装店としての営業を始めた後、清一はさまざまな仕事を経験します。 機械塗装、外壁リフォームの他に、新築住宅や別荘地のバンガロー、看板制作など、吉田塗装店は多彩な仕事をこなしていきます。

しかし清一は、地元での訪問営業を怠りませんでした。
「店を続けていくためには、この町での仕事を大切にしなくては」
親子二代で培った塗装技術で、吉田塗装店は地元の外壁塗装を丁寧にこなしていきます。
その職人気質の仕事ぶりは客の間で評判となり、「壁の塗装なら吉田さんの店」と言われるようになりました。

「地域の役に立って、皆に喜ばれる仕事がしたい」
そう願っていた父、盛一の想いは「本物の塗装職人の店」となり、息子、清一に受継がれていたのです。

「外壁塗装の専門店」として店を育てる方針に納得し、父の盛一は仕事を清一にまかせるようになります。
正式に二代目親方となり、結婚して二男一女に恵まれた清一は、さらに仕事一筋、塗装一筋の人生を歩むようになりました。

そんな清一とは正反対に、父、盛一の晩年は、酒や麻雀を陽気に楽しむ、賑やかで破天荒なものだったと言います。ゼロからスタートさせた塗装の仕事に満足し、次に夢中になれる事を探していたのかもしれません。

■吉田寛斎 三代目の変革

昭和40年に生まれた清一の長男、一彦は、仕事一筋の父の背中を見て育ち、学生時代から家業の手伝いを始めます。
後に吉田塗装店三代目親方となり「寛斎」の雅号を名乗る一彦は、幼い頃から店の跡取りになることを期待されていました。しかしペンキにまみれて働く家業を、一彦はなかなか好きにはなれなかったのです。

高校卒業後、一彦は実家から離れてガス器具会社に就職します。
塗装以外の仕事に就くための就職でしたが、営業職として多くの事を学ぶうちに、改めて実家の仕事について考えるようになりました。
「自分に与えられた土俵で、できる限り良い仕事をしてみよう」
20歳になった一彦は、2年間のサラリーマン生活に別れを告げ、吉田塗装店に戻ります。

長く家業から離れていた一彦にとって、暑さ寒さの中で行う外壁塗装の職人修行は、想像以上の苦痛でした。体力的な厳しさが続き、やりがいを感じる余裕もありません。
けれど任される仕事が増え、客と会話を交わせるようになると、一彦の心にも変化が生まれます。客からのねぎらいの言葉に喜びを感じ、「もっと良い仕事をしよう」と思えるようになったのです。

一彦が塗装の仕事に魅力を感じるようになった頃、店に大きな危機が訪れます。
リフォーム詐欺が社会問題となり、塗装会社が不信の目で見られるようになったのです。
さらに大手の訪販塗装会社が地元に進出し、派手な宣伝とたくみな訪販営業をしかけてきました。全国展開の知名度を持つ大手に客を奪われ、吉田塗装店の仕事は激減します。

「このままでは、大手の会社に潰されてしまう。何か対抗手段を考えなくては」
一彦は店のチラシとホームページを作り、そこで塗装職人の言葉を伝えることにしました。
「職人の手仕事による塗装技術が、どれほど丁寧なものか」
「吉田塗装店の職人たちが、どれほど誠実に仕事をするのか」
自分たちの熱意と誠意を訴え、リフォーム詐欺の見分け方についても、職人の視点で詳しい記事を書いたのです。
チラシやホームページに力を入れる一彦を見て、地道に訪問営業を続けてきた父、清一は、猛反対をします。けれど今の状況を変えるためには必要だと、一彦は押し切りました。
真面目な塗装職人が社会から誤解を受けていることが、我慢ならなかったのです。

その頃から、インターネット上では若い塗装職人の交流が始まっていました。
ホームページを公開した一彦は彼らとの情報交換に参加し、「日本建築塗装職人の会」の結成にも協力します。一彦は、会の豊川支部長としての活動を始めることになりました。

全国の塗装職人が協力して情報発信を行い、社会貢献にも参加する会の姿勢は、「誇りある職人の活動」としてメディアも取り上げるようになります。 一彦は雑誌や新聞の取材にも積極的に応じ、塗装職人の仕事について語りました。
多くの記事が「信頼できる職人の店」として吉田塗装店を紹介するようになり、受注数は大きく伸びていきます。一彦は自分の力で店の危機を救ったのです。

大きな危機を乗り越えた息子の様子に、父、清一も彼のやり方を認めました。
一彦はこれからも吉田塗装店三代目として、塗装職人であり続けることを決意します。
こうして一彦は「塗装職人吉田寛斎」の雅号を名乗るようになります。 「寛斎」の雅号は「常に自分らしい感性を大切に」と、友人が贈ってくれたものでした。

■吉田三代 守り継がれる職人の想い

三代目、寛斎には大切な思い出があります。
それは古くからのひいき客を訪ねた時のことです。
「大きくなったね。仕事、頑張っているんだね」
やっと職人らしくなってきた自分を見て、その家の人たちが家族のような言葉をかけてくれたのです。
「祖父の代からずっと、自分たちを見守ってくれていたのか」
客たちの温かい言葉は彼の胸を熱くし、同時に背筋を伸ばしてくれました。
「いつだって、お客様はちゃんと見てくれている。職人魂を忘れずに良い仕事をしよう」

初代盛一の職人魂は時代を越え、三代目を迎える吉田塗装店に受継がれています。
そしてその魂に応えるように、三代目一彦の周りには、彼を支える頼もしい仲間が集まります。
営業の仕事に忙しい兄に代わり、現場の職人をまとめてくれる弟の浩は、寛斎にとってはかけがいのないパートナーです。
寛斎と浩の側には2人を見つめ、彼らの姿に学ぼうとする若い職人たちが集います。
そして熱気に満ちる店の様子を、二代目清一やベテラン職人たちは、厳しくも温かい眼差しで見つめ続けるのです。


「見えない場所にも手間を惜しまず、一塗り一塗りを丁寧に!」
今日も吉田塗装店の職人たちは、心を込めて仕事に取り組んでいます。

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